生前整理のポイント

捨てる物を探す

結局はいらない物を処分するのが重要なので、どんどん不用品を探します。 必要かもしれない品まで無理して処分することはありませんが、保管していてもこの先活躍する気がしない物は意を決してポイしていきます。 どうするか考え込んでしまう、微妙な物はどうやって判断すればいいのでしょうか。まずはどうして今までそれを捨てずに残しておいたのかを考えましょう。 その理由が今でも有効か、もうその頃とは違うのではないか、そのように自問自答してとっておくべきかどうかを決断します。 もう自分は使うことがない、では他に誰かが使う可能性はあるか、いつ使うのか、その可能性が低いのならとりあえず処分してもよいのではないか、などと考えます。 たいした金額の品でないのなら、まんがいち使用したくなる機会が訪れたのならその時にもう一度買いなおせばいいので、金銭的なことも判断材料になります。 数百円の物なら、3年後に使うかもしれない、程度の重要度ならば処分しても問題ないと判断したほうがいいのです。 そのまま使わないで人生が終了するかもしれませんし、そうでなくても将来数百円の出費で解決するのなら困りはしないでしょう。 二度と手に入らないかもしれない、とか再入手が困難な品は易々と処分はできませんが、取り返しが付くアイテムならガンガン捨てていくべきです。 一旦全て捨てた気になって、使うものだけ選別して取り戻すような決め方でもいいかもしれませんね。

貴重品はまとめる

もしも貴金属を複数のタンスにバラバラに保管していたのなら、一箇所にまとめて おくようにするといいでしょう。 通帳も同じく一箇所に、印鑑もセットでまとめるようにします。 有価証券や生命保険などの書類もあちこちに分散されているかもしれませんが、生前整理を機に一箇所にまとめてしまいましょう。 あらゆる契約書や重要なアイテム、宝石類はなるべく単品でバラバラにしておかず、すぐに集められるような配置にするのです。 盗難防止という意味では不安になるかもしれませんが、それよりも紛失のリスクが 高いので高齢者は無理に隠そうとはしないほうがいいのです。 自分に何かあった時に家族の方がすぐにみつけられるよう、手間をかけずに発見 されるように通帳は何冊もまとめて、印鑑も一緒にしまっておきます。 泥棒が入ったら、と考えると心配で夜も眠れなくなるのなら、大きくて頑丈な金庫を 購入してそこに大切な物をまとめて保管します。 とにかく紛失しないよう、重要なものは全て遺族に託せるようにするのです。 遺品整理をしてるけど通帳はあるのに印鑑がない、といったトラブルはよくあるのですが、手続きが大変なだけで宝探しのように遺族の方は楽しんでくれません。 スムーズに遺産相続ができるように、見つけてもらえる場所にまとめて貴重品を保管するようにして下さい。

財産目録の作成

価値あるものを一箇所にまとめるだけではなく、財産目録も作成しましょう。 自分がどれほどの財産を所有しているのか、知っておくことは重要なのかもしれませんし別に無頓着でも構いませんが、 遺産相続をする段階になったらこの目録はとても役立ってくれるからです。 みんなが認識している土地や建物も、タンスに眠っている現金やゴールドの延べ棒も、銀行の定期預金も、全て財産目録に記載するのです。 どこまでのものを載せるのかは専門家に相談したいところですが、価値のありそうな物ならどんどん書き記してもいいでしょう。 そこそこ有名な画家の作品、高額なのは間違いなさそうな古い壺、コレクターがヨダレを垂らして欲しがりそうなスポーツカー、高名な陶芸家の手による器など、 相続されるアイテムは全てが対象となります。何があるのかだけではなくどこにあるのかまで記しておけば、遺族の方の手間も省けて大助かりでしょう。 生前整理で財産目録を作成して、「思ったよりたくさんあるな、これは相続税が大変かもしれないね」と感じたのなら、 生前贈与という方法で少しでも相続税を減らす方法を模索することもできます。 なんにせよ財産目録があって困る人はいませんし、時間はきっとたっぷりあるでしょうからぜひ作成して下さい。